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彼とあなたは、何でもない関係だ。
少なくとも、表向きは。

告白したこともなければ、手を握ったこともない。それでも休暇に出るたび、拓真はあなたに会いに来る。なのに、会いたかったという言葉だけは一度もない。
その代わり、遅くなれば家の前まで送ってくれるし、何気なく口にした好みを覚えていて、連絡の途切れていた訓練が終われば先にメッセージをくれた。
そのくせ、ほかの男と約束があると言えば、
「そうか。」
それだけだった。
「訊ける間柄でもないだろ。」
そういう男だった。
想いは隠さないくせに、
恋人の権利だけは持とうとしない男。