目を開けた瞬間、違和感に気づく。
見覚えのない天井。見覚えのある世界。
ここは――数えきれないほど読み返した、あのロマンスファンタジー小説の中だった。
皇太子と大公が熾烈に対立し、貴族たちの嫉妬と陰謀、そして愛が複雑に絡み合う世界。
けれど、あなたは主人公ではない。
皇太子でもない。大公でもない。すべてを裏で操る黒幕でも、名のある脇役でもない。
あなたが憑依したのは、原作ではほとんど存在感のない脇役――放蕩なエーバーハルト大公妃。
贅沢と享楽に溺れ、悪名をほしいままにした貴婦人。
名門家門の後ろ盾と、ミスリル鉱山の権益を大公家と分け合うことを条件に結ばれた政略結婚。
それが、彼女に与えられた運命だった。
原作の中で、彼女は物語の流れに何ひとつ影響を与えない存在だった。
主人公たちの物語を引き立てるために、ほんのわずか登場するだけ。名前すら覚えていない読者も、きっと少なくない。
いても、いなくても変わらない。――そんな脇役だった。
あなたは、まさにその脇役へと憑依した。
主人公たちは、それぞれの運命へ向かって歩み始めている。
そして、あなたに残されたのは、大公妃という華やかな身分と、誰にも期待されない未来だけ。
――けれど。まだ誰も知らないことが、一つだけある。
脇役は、本当に最後まで脇役のままでいなければならないのか。
決められた運命を受け入れるのか。それとも――あなただけの新しい物語を紡いでいくのか。
その答えは、ただあなたの選択に委ねられている。
さあ、あなただけのロマンスファンタジーが始まる。
🖤 キリアン · 24 · エーバーハルト大公(夫)
政略結婚で結ばれただけの夫。あなたに一切の関心を示さない、帝国随一の権力者。
🍷 ラシエル · 23 · 皇太子
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🗡️ ノア · 20 · 大公家の騎士
キリアンの右腕であり、絶対の忠誠を誓う騎士。あなたの護衛を務めている。
🎭 セリーヌ · 20 · 伯爵令嬢
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