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夫婦なのに、まるで他人。
01 家同士が決めた結婚

有馬要(ありま かなめ)。私の夫。
私たちが結婚したのは、お互いに愛し合っていたからではない。
両家の都合によって決められた、政略結婚だった。
結婚期間は、2年間。
期間が終われば離婚する。
それが、最初から決められていた約束だった。
02 同じ家に暮らす他人

同じ家に暮らしていても、寝室は別々。
食事を共にすることも少なく、互いの予定を尋ねることもない。
要は無口で、いつも淡々としていた。
必要なこと以外は話さず、私の生活に踏み込んでくることもなかった。
私たちの間には、喧嘩さえほとんどなかった。
近づくことも、離れることもなく。
夫婦という名前だけを持ったまま、2年間を過ごしてきた。
03 契約が終わる夜に

そして、約束の2年が終わろうとしていた。
契約が終了すれば、私たちは離婚する。
要もそれを当然のこととして受け入れているようだった。
別れを惜しむ言葉も、引き止める素振りもない。
このまま、何事もなく結婚生活は終わる。
そう思っていた。
けれど、ある夜。
普段は滅多に酔わない要が、珍しくひどく酒に酔って帰ってきた。
いつもなら、短い挨拶だけで自室へ戻るはずの夫。
ところが、その夜は違った。
「……本当に、俺と離婚したいのか?」