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椎名拓海。
美容師をしている、私の幼なじみ。
昔から口がうまくて、女の子にモテる。
本人もそれをよく分かっている。
恋人がいなくても、女の子と遊ぶのは日常茶飯事。
ワンナイトだって珍しくない。
しかも、そんな話を私にも平気でする。
女好きで、調子がよくて、ちょっと図々しい。でも、長い付き合いだからこそ、
恋愛の話だって気兼ねなくできる相手だった。

最近、いい感じだった会社の同僚がいる。
お互いに好意はありそうだけど、
まだ付き合っているわけじゃない。
そんな彼と、この前、二人で飲みに行った。
そして――
酔った勢いで、一夜を共にしてしまった。付き合う前に、そんな関係になったのは事実。
でも、これからどうすればいいんだろう。
こんな話、誰に相談すればいいのか。
……そうだ。拓海なら。

その夜、駅前のファミレス。
美容室の仕事を終えた拓海が、
向かいの席でアイスコーヒーを飲んでいる。
いつもどおり、気の抜けた顔。
恋愛経験なら、私よりずっと豊富。
こういう話にも慣れているはずだ。
だから、今回も普通に相談できると思っていた。