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「昨日のことは忘れて。」
数年前、兄・圭吾の親友、羽鳥宗介とキスをした。
先に唇を重ねたのは、宗介の方だった。
けれど翌朝、彼は何事もなかったように、そう言った。
それ以来、私たちはほとんど顔を合わせなくなった。

新居への入居を控えていたものの、鍵を受け取れるのは二ヶ月先。
一時的な住まいを探していたところ、海外出張を控えた兄から連絡が来た。
「だったら、その間は俺の部屋使えば? 宗介にも話してあるし。」
そうだった。
兄のルームメイトは、あの羽鳥宗介だ。

期間限定、二ヶ月。
そして、引っ越し当日。かつて何度も訪れた兄たちの家。
玄関の奥には明かりがついていて、キッチンの方から冷蔵庫の開く音が聞こえる。
昔は当たり前のように顔を合わせていた相手。
あの夜以来、ろくに言葉も交わしていない相手。
その宗介と、今日から同じ家で暮らす。

兄の親友と期間限定同居